Update: Thinkinetic Pulldownit 6.6 for Maya – Improved Non-destructive Workflow

Pulldownit 6.6 for Mayaがリリース!破砕処理の高速化と非破壊ワークフローを強化

Thinkineticは、Autodesk Maya向け破壊シミュレーションプラグイン「Pulldownit 6.6」をリリースしました。

今回のアップデートでは、既存の破砕結果を調整する再破砕処理(Re-Shattering)の高速化に加え、破片の量を減らす「Eraser」、モデルの境界部分に細かな破片を生成する「Chipping on Borders」を新たに搭載。既存の破砕設定を別のモデルに適用する機能も追加されました。

前バージョンのPulldownit 6.5で導入された非破壊ワークフローをさらに拡張し、破壊エフェクトの調整や試行錯誤を行いやすくするアップデートです。

Pulldownit 6.6の主な新機能

1. 再破砕処理が従来バージョン比で3倍高速化

Pulldownit 6.6では、既存の破砕結果に対して追加の破砕処理を行う「Re-Shattering」が、従来バージョン比で3倍高速化しました。また、直前の再破砕操作を取り消す「Undo Last Re-Shatter」も4倍高速化しています。いずれもThinkineticが公表している数値です。

再破砕は、モデル全体を作り直すのではなく、必要な部分に破片を追加して破壊表現を調整するための機能です。

例えば、建物の崩壊シーンで壁の一部分だけを細かく砕きたい場合や、衝突した箇所に追加の破片を発生させたい場合などに活用できます。

今回の高速化によって、破片の配置や破壊の見え方を繰り返し調整する作業を進めやすくなります。

さらに、すべての破砕モードで「Undo Last」に対応しており、必要に応じて元の破砕状態に戻すこともできます。

2. 新機能「Eraser」で不要な破片や亀裂を調整

新たに追加された「Eraser」は、モデルの選択した領域で破片の細分化を抑えるためのツールです。

破砕シミュレーションでは、細かな破片を増やすことで迫力のある表現を作れる一方、シーン内のすべての領域を同じ密度で破砕する必要があるとは限りません。

Eraserを使えば、選択した領域の破砕を視覚的に調整し、不要な細分化を減らせます。亀裂が入った領域を完全に取り除くことも可能です。

変更後はシミュレーションを再生して結果を確認でき、必要に応じて操作を取り消せます。

活用例

  • 建物の壁などで、細かく砕く部分と大きな破片を維持する部分を使い分ける
  • 破砕が過剰になった領域を調整する
  • カメラに映る範囲を中心に、破壊表現のディテールを整える

破砕の密度を一律に増やすのではなく、領域ごとに調整できる点が特徴です。

3. 「Chipping on Borders」で境界部分に細かな破片を生成

「Chipping on Borders」は、モデルの境界部分に小さな破片を生成する新しいツールです。

影響を与えたい箇所を視覚的に選択すると、その境界部分に細かな破片を生成できます。モデルの穴などにある内側の境界も検出でき、ダイナミクスの計算時には生成された破片が自動的に分離します。

例えば、コンクリートの壁や石材が砕けるシーンでは、大きな破片だけでなく、破断面の縁から細かな破片が剥がれ落ちる表現も重要になります。

Chipping on Bordersを利用すれば、モデルの境界部分を選択して、こうした細かな破片の表現を追加できます。

活用例

  • 建物やコンクリート構造物の破壊
  • 岩や石材が砕けるエフェクト
  • 衝突によって破片が飛び散るVFXショット
  • 破断面や開口部の周辺に細かな破片を加える演出

既存の破砕結果を活用しながら、特定の境界部分にディテールを追加したい場合に役立つ機能です。

4. 既存の破砕設定を別のモデルに適用可能に

Pulldownit 6.6では、既存の破砕結果に関連付けられたソースノードを変更できるようになりました。

「Shatter It」ウィンドウに追加された「Select Source Node」ボタンから別のジオメトリノードを選択し、現在の破砕設定に使用するソースを変更できます。

Thinkineticによると、この機能は、既存の破砕設定を別のモデルに適用したり、既存の設定を新しい破壊エフェクトの出発点として再利用したりする用途を想定しています。

すでに作成した破砕設定を別のモデルで活用したい場合に、制作ワークフローの選択肢が広がります。

破砕・シミュレーション関連の不具合も修正

Pulldownit 6.6では、新機能や処理速度の改善に加え、破砕処理、ジオメトリ、UV、剛体同士の衝突、破片のクラスタリングなどに関する不具合も修正されています。

  • 特定のモデルで破砕時に不要な面が生成される問題
  • 破砕処理によってUVが変更される問題
  • 破片数を1,024に設定した際に処理が停止する場合がある問題
  • 再破砕操作によって元の破砕状態が上書きされる問題
  • 特定の条件で剛体の衝突や破片のクラスタリングが正しく動作しない問題
  • Edge-Fractureで破片の縁に不均一な欠けが生じたり、選択範囲の内側の縁に不要な欠けが生じたりする問題

これらの修正は、さまざまな条件で破砕やシミュレーションを行う制作現場で、作業時の問題を軽減するためのものです。

既存の破壊エフェクトを調整しやすくするPulldownit 6.6

Pulldownit 6.6は、破壊表現を一から作り直すのではなく、既存の破砕結果を活用しながら調整するワークフローを強化したアップデートです。

再破砕処理の高速化によって調整作業を進めやすくなったほか、Eraserで破片の量を減らし、Chipping on Bordersで境界部分の細かな破片を追加できるようになりました。

また、既存の破砕設定に使用するソースノードを変更できるため、過去に作成した設定を別のモデルや新しい破壊エフェクトに活用することも可能です。

建物の崩壊、オブジェクトの破砕、衝突による破壊など、細かな調整が求められる3DCG・VFX制作において、破砕表現を反復的にブラッシュアップしたいMayaユーザーにとって注目のアップデートです。

Pulldownit 6.6の提供状況

Pulldownitのライセンスユーザーは各自のアカウントからバージョン6.6にアクセスできます。また、Maya 2027向けのデモ版も提供されています。

対応バージョンや利用条件、ダウンロードについては、メーカー公式サイトで最新情報をご確認ください。

関連リンク

 

 

Pulldownit for Maya

破砕・破壊エフェクトを実現するプラグイン

Pulldownitは、オブジェクトの破砕やひび割れ、建築物の崩壊など、リアルな破壊エフェクトを制作できるダイナミクスプラグインです。さまざまなパターンでオブジェクトを破砕できるほか、大量の剛体オブジェクトを扱うシミュレーションにも対応しています。

Pulldownit 6 for Mayaでは、破壊表現の新機能に加え、パフォーマンスと操作性が強化されました。破砕形状の調整やシミュレーションの再実行を効率化し、より短時間で完成度の高い破壊エフェクトを制作できます。

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